納期半減の生産清流化

業務と組織の変革で、しなやかな企業体質を創ります。

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清流化ツールNo31 「特急仕事はバッファで」
 「生産清流化」は、製造企業における業務革新・組織革新のシナリオです。納期短縮を目標として事業環境の変化に対応できるスピードを獲得します。業務を変えるアプローチは「つなぐ化」です。納期遅れの症状を見極めてポイントとなる業務と前後の業務のつながりを1点集中で改善していきます。

■特急業務を改善する
 通常の受注の範囲や通常の作業の範囲では納期遅れが出ない企業でも、例外的な状況では納期遅れが発生することがあります。代表的なのが特急の仕事です。標準のリードタイム以下の日数で納入が希望される注文が入った場合です。こうした例外的な業務も改善しておかないと、通常作業も影響を受けて納期遅れになっていきます。

■標準リードタイムを短縮する
 特急の仕事が多い企業は、「鈍行型」体質になっていることがあります。鈍行列車が多いから特急を走らせたくなるのです。しかし鈍行列車が多い路線に、同時に新幹線を走らせると事故が増えるだけです。遅い列車でも「快速」にしておく、つまり標準のリードタイムを短縮することが必要です。
 特急の比率は10%以下、理想的には5%以下になるように、標準のリードタイムのほうを短縮しておくことが目安です。

■バッファを作る
 特急の仕事を要望納期どおりに納入するためには、標準リードタイムより短い期間で製品を完成させる必要があります。期間を短縮するには計画していなかった資源を使うことになります。計画外の資源をバッファとして持ち、特急のためにそれを使うことが必要になるわけです。
 バッファとして持つ資源は次のように大別できます。

  ・材料や仕掛品のバッファ
  ・設備や人のバッファ
  ・時間のバッファ

■材料や仕掛品のバッファ
 材料のバッファとは見込み在庫のことです。特急の注文があってから材料を調達していたのでは遅いので、特急があることを想定してそのぶんの見込み在庫を持つことが必要です。材料の代わりによく使われる共通の仕掛品があればそれを余分に持っておく方法もあります。
 特急受注がある製品に偏っている場合には、その製品を見込みで在庫しておく方法もとれるでしょう。あるいは受注が多い主力製品を見込み生産しておき、特急の受注があった場合には、主力製品の見込み生産を中断して特急製品の生産をやるという手もあります。

■設備や人のバッファ
 設備のバッファとは、特急製品の製造に使う待機設備です。人のバッファは特急製品の受注があったときに担当する余力となる人です。特急受注がない場合、遊んでいる必要はありません。改善活動や保全活動をやればよいのです。休暇をとる人があった場合の交代要員としても兼任することができます。
 設備のバッファや人のバッファが社内で持てない場合、外注利用が検討されます。特急製品を外注に出していると余計に時間がかかることが多いでしょう。特急製品を社内でやる代わりに納期に余裕のある製品を外注に出すことを検討します。

■時間のバッファ
 設備や人の台数や人数に余分がない場合、時間でカバーする方法があります。休日を利用する、残業でカバーするのが通常ですが、通常製品の納期に対して納期余裕を設定しておき、それを特急製品のために使う方法もあります。これは次節で詳述します。

特急受注のためのバッファ
分類内容
材料や仕掛品のバッファ・見込みの材料を持つ
・見込みの共通仕掛品を持つ
・見込みの製品在庫を持つ
・見込み生産の主力製品を中断して特急製品を生産する
設備や人のバッファ・待機設備を持つ
・休暇の交代要員が特急製品を担当する
・納期に余裕のある製品を外注に出して特急製品を社内で生産する
時間のバッファ・休日を利用する
・残業でカバーする
・通常製品の納期余裕を特急品に充てる

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