納期半減の生産清流化

業務と組織の変革で、しなやかな企業体質を創ります。

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清流化ツールNo32 「予備日と残業使い分け」
 「生産清流化」は、製造企業における業務革新・組織革新のシナリオです。納期短縮を目標として事業環境の変化に対応できるスピードを獲得します。業務を変えるアプローチは「つなぐ化」です。納期遅れの症状を見極めてポイントとなる業務と前後の業務のつながりを1点集中で改善していきます。

■特急業務を改善する
 通常の受注の範囲や通常の作業の範囲では納期遅れが出ない企業でも、例外的な状況では納期遅れが発生することがあります。代表的なのが特急の仕事です。標準のリードタイム以下の日数で納入が希望される注文が入った場合です。こうした例外的な業務も改善しておかないと、通常作業も影響を受けて納期遅れになっていきます。

■標準リードタイムを短縮する  特急の仕事が多い企業は、「鈍行型」体質になっていることがあります。鈍行列車が多いから特急を走らせたくなるのです。しかし鈍行列車が多い路線に、同時に新幹線を走らせると事故が増えるだけです。遅い列車でも「快速」にしておく、つまり標準のリードタイムを短縮することが必要です。
 特急の比率は10%以下、理想的には5%以下になるように、標準のリードタイムのほうを短縮しておくことが目安です。

■バッファを作る
 特急の仕事を要望納期どおりに納入するためには、標準リードタイムより短い期間で製品を完成させる必要があります。期間を短縮するには計画していなかった資源を使うことになります。計画外の資源をバッファとして持ち、特急のためにそれを使うことが必要になるわけです。
 バッファとして持つ資源は次のように大別できます。

  ・材料や仕掛品のバッファ
  ・設備や人のバッファ
  ・時間のバッファ

「材料や仕掛品のバッファ」と「設備や人のバッファ」については前節を参照してください。

■時間のバッファには2種類ある
 設備や人の台数や人数に余分がない場合、時間でカバーする方法があります。これには以下の2つの方法に大別できます。

  ・残業などの時間外勤務をバッファとする
  ・納期余裕日数をバッファとする

■時間外勤務をバッファとする
 これは残業や休日出勤などの時間外勤務をバッファとするものです。まず通常の受注に対しては定時内でできるように計画しておきます。そして特急の仕事を受注した場合に、残業で対応するものです。週末に受注した場合には土日などの休日を出勤することで対応します。
 時間外勤務をバッファとするのは、よく使われる方法です。しかし以下の点に留意する必要があります。
時間外勤務をバッファとする場合の留意点
留意点内容
特急受注がないときには定時内でできるように設備や人の余力を調節する 特急受注がないときでも残業し、特急受注が来たときに余力がなくなります。特急がない時期に効率が落ちないように標準時間に基づいて計画を作成することが必要です。
特急受注の比率が多いと予想される場合には、材料・仕掛品のバッファ、設備や人のバッファを併用する 統計的に特急受注の比率が多いことがわかっている場合には、時間外勤務だけでは対応できないことがあります。平均的に30%以上の特急がある場合には、他のバッファとの併用や製造リードタイムの短縮が必要でしょう。

■納期余裕日数をバッファとする
 これは通常製品の納期に対して納期余裕を設定しておき、それを特急製品のために使う方法です。通常の受注に対しては納期余裕を持って製造します。例えば顧客が要望する納期が6月10日のときに納期余裕を3日持って6月7日に納入できるタイミングで製造します。特急の仕事を受注した場合には、この3日を取り崩して対応するものです。
 納期余裕日数をバッファとする場合には以下の点に留意する必要があります。
納期余裕日数をバッファとする場合の留意点
留意点内容
特急受注がないときには納期余裕を確保でできるように設備や人の余力を調節する 特急受注がないときに納期余裕を食いつぶしていては、特急受注が来たときに対応できません。特急がない時期に納期余裕を食いつぶさないように進捗管理することが必要です。
納期余裕の増減を管理する 特急受注が来たときに、通常製品の納期余裕を何日充てるのか、特急受注が終わったときに納期余裕をいつまでに回復するのかを明示して進捗管理することが必要です。

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