納期半減の生産清流化

業務と組織の変革で、しなやかな企業体質を創ります。

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清流化ツールNo46 「今日の時間は今日使う」
 「生産清流化」は、製造企業における業務革新・組織革新のシナリオです。納期短縮を目標として事業環境の変化に対応できるスピードを獲得します。組織革新を進めるには個人のレベルアップが欠かせません。そのキーワードは「学ぶ化」です。改善を習慣化することで個人の心と技を変えていきます。

■改善と時間に関する意識の特性を知る
 改善を習慣化しようとしたとき、人間の意識が障害になることが多いものです。何かを変えようとしたときに人間の意識にはバイアスがかかります。また時間に関する認識にもバイアスがかかります。こうした意識の特性を知って改善に取り組むことが効果を上げるポイントです。

■時間には感覚器がない
 人間の時間に関する感覚には他の感覚とは違う特性があります。ひとつは「時間には感覚器がない」ということです。光は目で感じます。音は耳で感じ、味は舌で感じます。それに対して時間経過を直接感じる感覚器はありません。時間経過は脳の働きで感じます。出来事の記憶(エピソード記憶)は、海馬で作られるとされています。海馬では4〜8Hzの周波数を持つシータ波のリズムで時間と空間の流れをニューロンに刻みます。その記憶の系列が時間経過として感じられるのです。
 したがって時計という機械的な時間に対して「心理的時間」というものが存在します。心理的時間の絶対値は存在しません。人により場合により伸び縮みします。現在の時間経過に関しては次のように伸び縮みすると言われています。

 ・身体が活性化しているときは、時計の時間経過が遅く感じる。
 ・恐怖や興奮を感じていると、時計の時間経過が遅く感じる。
 ・時間を気にするほど、時計の時間経過が遅く感じる。
 ・広い空間にいると、時計の時間経過が遅く感じる。
 ・楽しい時、集中している時は、時計の時間経過が早く感じる。
 ・難しい課題に挑戦している場合は、時計の時間経過が早く感じる。

■速さと遅さに慣れてしまう
 キーボードを押してから画面の反応が悪いパソコンを使い始めたと想定しましょう。使い始めは「反応が遅い」と感じるでしょう。しかししばらく使っていると「遅い」と感じなくなります。ここで反応が速いパソコンに換えてみましょう。今度は「反応が速い」と感じます。でもこれもしばらく使っていると「速い」と感じなくなります。これはしばらく使っていると脳が勝手に「反応が遅いはず」「反応が早いはず」というタイミングを調整してしまうからです。
 野球でもピッチャーが速球ばかり投げているとバッターが慣れてしまい打ち返せるようになります。打たれないために効果的なのはチェンジアップです。速球とのスピード差が大きいほど打ちにくくなります。
 スピードには慣れがあるので、スピードは速いのか遅いのかは、感覚ではわからないということです。時計やスピードガンで測ってみないとわからないということです。

■過去の時間は取り返せない
 昨日の時間は今日使えません。当たり前ですが錯覚しがちな点です。今日の仕事を明日に回しても「何とかなる」と思っていないでしょうか。今日の時間は明日もあるという錯覚に陥っている可能性があります。時間が他の資源と大きく違う点です。例えば今日10個あるモノは明日も10個使えます。しかし今日の10時間は、明日使えません。今日の時間を取り返せると思うのは幻想です。でもモノと同じように考えていることがよくあります。

■時間は1+1が2にならない
 時間は足し算が成り立たない場合があります。モノの場合は常に1+1=2です。しかし以下のようなケースはよく見かけるでしょう。

 ・昨日の1時間+今日の1時間=1時間(これから使える時間)
 ・製品Aの加工1時間+製品Bの加工1時間=3時間(段取替時間がある)
 ・製品Cの加工1時間+製品Dの加工1時間=1時間(バッチでまとめて加工する)

 このように時間に関する知覚や認識の特性をよく知って仕事に取り組む必要があります。

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