納期半減の生産清流化

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製造企業のデリバリー管理とSCM
第2章 サプライチェーンマネジメントの実践
2.4 SCM展開上の問題と対策
 (3)生産の問題

 製造業において、生産は必須機能です。ファブレスを志向する製造業者でも、外注先で生産活動が行われます。日本の製造業は、特に生産現場でJITに代表されるデリバリー管理活動が発達してきました。他の機能と比べてSCMの基盤は整備されているでしょう。それでもなお生産には、次のような問題があります。

問題1:釜
 モノの流れをスピードアップしようとすると、小ロット化や1個流しが必須です。しかし工場の中には、1個流しに向かない工程が存在することがあります。化学反応、粉体・液体の混合、蒸着、熱処理、メッキなどです。これらは、釜や炉にモノをまとめて入れてバッチ処理する工程です。まとめて投入し、まとめて取り出すために、前後が1個流しになっていても、その工程の前後で停滞が発生します。

 また、装置が高価なことが多いので、少数の大型装置を導入しがちです。大型装置を導入すると、複数の前工程で加工されるモノを1台で処理することになります。また1台の装置から出たモノを複数の後工程で使うこともあるでしょう。合流・分岐が発生しますから、ますます停滞量が多くなります。

対策1:装置の小型化・連続化
 対策は、釜や炉をできるだけ小型化することです。バッチ型の装置から連続加工ができる装置に転換できればベストです。技術開発が必要な場合も多いでしょう。しかし、同じ技術の延長線で小型化しても困難です。処理能力と装置価格は比例しないでしょう。発想を転換して、多少時間や人手がかかっても装置を安くできる方法はないかどうかを再点検すべきです。

 たとえば塗装した後の乾燥炉の代わりにヘアドライヤーを使った例があります。また、製品の性質によっては、多少装置価格が高くなっても、在庫停滞によるキャッシュの固定化や陳腐化の危険性が減ったほうが良い場合もあります。

問題2:国内生産
 海外市場向けの製品を国内で生産する場合、それがモノの流れのスピードを阻害します。輸送期間、通関手続きなどの期間に、在庫の形で停滞します。輸送ロットをまとめると、それも在庫の要因になります。輸送期間などでトータルの生産リードタイムが長くなると、見込み生産の場合には、需要変動に対応するための在庫も増加します。

対策2:技術の移転
 海外市場向けの製品を、現地で生産することが解決策です。しかしながら現地で生産するには生産に関する技術を移転することが必要です。加工・組立ての技術だけでなく、工場運営技術も移転しないと生産できません。たとえばISO9000の認証取得やナレッジマネジメントの推進などを通じて、運営技術の形式知化を進めておくべきでしょう。

 また、TQC・TPM、TDM(全社的デリバリー管理)などの活動も、現地へ移転することを目標に体系化しておく必要があります。労務管理は、現地のやりかたが基本になりますが、そこに日本の技術を融合していくことが求められます。

問題3:海外生産
 国内市場向けの製品を海外で生産する場合も、モノの流れのスピードを阻害します。海外市場向けの製品を国内で生産する場合と同様です。輸送期間、通関手続き、輸送ロット、総生産リードタイムなどが在庫の増加要因になります。

対策3:在庫の観点からみた拠点選択
 製造原価の観点からは、国内で生産するよりアジアの拠点で生産するほうが有利でしょう。しかし、どこの拠点で生産するかの決定は、在庫増加とそれによる死蔵化のロスを含めて判断すべきです。製品が死蔵化すると多大なロスが発生します。

 製品の死蔵化は、新製品需要の読み間違いと、生産中止のタイミングが原因になることが大部分です。この時期だけを小回りのきく国内工場で生産し、安定期に海外工場で生産するという作戦もあるでしょう。

問題4:余力
 個別の製品の需要変動に対しては、小ロット化や1個流しによってモノを停滞させないことができます。しかし、全製品を合計した総需要が季節的、突発的に変動した場合には生産余力で対応することになります。在庫で対応すると、キャッシュの停滞と陳腐化の危険を招きます。残業や外注利用で生産余力が確保できればベストです。しかし、それができない場合にはSCMの阻害要因になります

対策4:在庫を加味した投資意思決定
 残業や外注利用で総需要の変動に対応できない場合、需要期にあわせて設備や人員を確保する必要があります。人員はパートなどで比較的に確保しやすいでしょう。問題は設備です。

 設備投資の意思決定をする場合、製品の加工費だけ考えると、余力を持たないギリギリの投資を選択してしまいます。設備投資の意思決定は、在庫増加によるキャッシュの停滞や陳腐化のロスを含めて判断すべきです。陳腐化の激しいハイテク製品の場合には、在庫を持つより、設備余力を持ったほうが良いという判断になる可能性があります。

 また、季節変動が明確な場合には、不需要期の売上を開拓する製品を開発することも重要です。新製品を開発しなくても、不需要期にあわせたキャンペーンや期間限定の価格設定など、マーケティングで工夫できる余地もあるでしょう。

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