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2022/6/25 マレリの破綻
6月24日、自動車部品製造のマレリホールディングス(株)が民事再生法の適用を申請した。負債総額1兆1330億円は、新型コロナ関連の破綻で最大とされる。マレリは、旧カルソニックカンセイ(株)とイタリアの自動車部品製造のマニエッティ・マレリが経営統合した企業である。新型コロナウイルスによる自動車メーカの生産台数の落ち込みで経営不振となっていた。
マレリの下請けは中小企業多い。影響が心配である。それにしても新型コロナによる落ち込みから自動車業界はいつ回復するのだろうか。見通しが立たない。2008年のリーマンショックのとき、自動車業界はいち早く下請け企業への発注を絞ったが、需要が回復したら速やかに発注を戻した。他業界に比べて企業間の在庫が少ないためだろう。ところが今回は需要減少ではなくて、供給減少の状況である。この状況では在庫の少なさがアダになっている。多種類の自動車部品がひとつでも欠品になると完成車が作れないからだ。
在庫の代わりになるのは余力である。しかし在庫も余力も削り取って金を増やしていくと、危機のときに金があってもモノがないということがあり得る。自動車業界だけでなく金融資本主義全体の問題かもしれない。
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