3.生産清流化で業務を変える
(3)納期改善の原則その1:3種類の改善方向
「生産清流化」は納期病の治療法である。心を変えること、業務を変えることの両面から取り組む。「納期改善の原則」は、業務を変えるための活動である。業務改善の原則のひとつが「3種類の改善方向」である。
「納期短縮」といっても改善すべき内容は様々である。大別すると3種類の納期短縮が存在する。自社が目指す納期短縮のタイプを知ることが必要である。これが「3種類の改善方向」なのだ。
まず「納期遵守型」である。慢性的に納期遵守率が低い状態を改善するのがこのタイプである。受注・要望納期と着手・納入の累計数を表した流動図で書くと下図の一番上のような形にするものである。流れ出しを早めることが対策となる。
2番目は「余力拡大型」である。受注量が多く、納入量が追いつかないタイプである。時間とともに要望納期に対する遵守率が低下し、受注残が増加する。生産余力を拡大する必要がある。言い換えると流量を拡大することが対策となる。
3番目は「工期短縮型」である。着手から納入までのリードタイムが長いタイプである。納入リードタイムを短縮することが納期遵守率を上げることにつながる。流速を速めることが対策である。
実際には複合型も存在する。だが、自社の納期短縮が、どのタイプに当てはまるかを見極めて適切な対策を選ぶことが肝要である。