4.納期対策の勘所と事例
(2)目標の設定と実行組織その2:生産清流化の実行組織
「生産清流化」は納期病の治療法である。実行する場合の組織面の勘所を紹介する。
清流化に取り組むには、まず実行組織づくりが必要である。通常組織とは別に、清流化のための組織を設定する。その組織は固定的ではなく、清流化の段階によって形態を変えていくことが望ましい。
整流段階では、清流化の目標や方針を設定する。工場の各職場が目指す方向と到達点を共有化する必要がある。そのための組織として「ビジョンチーム」を編成する。
ビジョンチームは、関係部門からキーマンを集めて編成する。そのチームで清流化の方針設定・工場全体業務のマップ化・重点改善業務の抽出を行う。
重点改善業務の改善を進める精留段階と清流段階では「部門チーム」で取り組む。通常、対象がひとつの部門内なので通常組織に準じた編成となる。例えば、生産部・資材部といった単位でチームを編成する。各チームで今までやっていなかった納期短縮に取り組むことが通常組織と違う点である。
部門チームでは、部門長がリーダーとなって指揮をとる。そして部門内の精鋭をメンバーとすることで、素早い問題解決を目指す。
盛隆段階では、改善を実施した効果を測定し次の重点改善業務を決める。また清流化の対象を拡大していく。この段階では、重点改善業務が複数の部門にまたがる場合がある。このとき「部門横断チーム」を編成する。例えば、生産部と生産管理部の間の情報連絡業務が対象ならば、2つの部門から代表者を選出して部門横断チームを編成する。