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製造企業のデリバリー管理とSCM
第1章 デリバリー管理
1.1 はじめに
 (1)ビジネスの再構築

 今日、日本の政治・経済・産業は、かつてない構造転換に直面しています。産業の根幹を支えてきた製造業もこの構造転換にさらされています。そうした状況のなかで元気な製造企業も多数存在します。

 21世紀は知識情報化社会です。これは単にITを利用するという意味ではありません。知識・情報・感情が価値を生み出す社会になるという産業革命なのです。「価格」ではなく「価値」が差別化要因になります。製造業に限らず好調な企業は、そこに向けてビジネスを再構築しています。

 ビジネスを再構築する場合そのプロセスを変革していく必要があります。価格ではなく価値で差別化するにはスピードが命になります。リードタイムを評価指標として開発・調達・生産・販売の活動を部門間・企業間で連動させることが必須です。サプライチェーンマネジメントがその基礎になるのです。

 サプライチェーンマネジメント(SCM)の話題は2004年時点で下火になった観があります。 これは日本だけの現象のようです。欧米では深く研究され企業活動の基盤として根付きつつあります。 下のグラフは日米のSCM関連書籍の出版数です。 日本では一時の流行でしたが欧米では増加しています。

 本稿は以下の構成を予定しています。
  第1章 デリバリー管理
  第2章 サプライチェーンマネジメントの実践

 第1章ではSCMの前段となるデリバリー管理について解説します。企業内のプロセスを整備してモノや情報の流れをスピードアップするものです。そしてそれを効果的に進めるための標準形として全社的デリバリー管理の考え方と、その展開について解説します。

 第2章では、SCMの対象・目的・製造業における類型を解説します。さらに製造業でSCMを実践する上での障害とその対策を考察します。また電子商取引・EDI・eコマースも簡単に紹介します。さらにビジネスを再構築する上での考え方に触れます。

 さてビジネスの再構築を「ビジネスモデル」と呼ぶことがあります。 ビジネスモデルは一時の流行語となっていました。 最近では定着した感があります。 ですが言葉が指す意味は未だ判然としません。 ビジネスモデルの解説は本稿の目的ではありません。 しかし冒頭で少し触れておきます。

 「ビジネスモデル」という言葉は「結果論としてうまくやっている企業全体を漠然とさす」あるいは「うまくやっている企業の特徴を断片的にさす」ことが多いようです。英語のmodelと言う語は名詞と動詞の2通りに使われます。名詞は「模範・手本」といった意味があります。動詞は「作る・工夫する」という意味です。ビジネスモデルは、模範・手本という意味で使われることが多いと言えるでしょう。

 つまりビジネスモデルという言葉は、ファッションモデルと同じ様に使われています。しかし結果としての模範的な姿だけを見ても、他の人にはあまり役立ちません。どうしたらファッションモデルのようになれるのかというプロセスのほうが重要です。

 筆者は、「ビジネスモデル」を次のように定義しています。
「ビジネスモデル:
  顧客価値の増大を目的に、競争優位なビジネスの構造を造り上げること」

 この定義も曖昧ですが、「造り上げる」というプロセスを指している所が特徴です。動詞としてのモデルに力点を置いています。しかしこれは、従来のマーケティングや経営戦略とどこが違うのでしょうか。筆者の考え方は次の通りです。まず目的は同じです。上位の目的は企業が儲け続けることです。この点ではマーケティングや経営戦略と何ら変りません。しかし従来のマーケティングや経営戦略は、売り手市場だった過去の経営環境の影響で、実態は売り手からの発想が多かったと感じます。しかし現代では、経済の成熟化、による商品単価下落・個客ニーズへの対応要請があります。市場のグローバル化による下請分業構造の変化があります。さらに規制緩和による異業種からの市場参入も起こっています。これらを背景に、儲け続けるためには顧客からの発想が必須です。この点がビジネスモデルの特徴です。

 もうひとつの特徴は、「ビジネスの構造を造る」という点です。言いかえると、事業の定義、競争のルール、顧客との関係、業務プロセスを再構築することです。経営戦略も本来はこうした狙いだったでしょう。しかし、売り手市場での慣習を背景に、経営戦略の実態は、営業戦略・開発戦略・生産戦略・財務戦略・労務戦略・情報戦略といったものの寄せ集めではなかったでしょうか。また個々の内容は過去のトレンドを外挿して将来像を描いているだけのものが多くなかったでしょうか。またマーケティングは、顧客との関係やビジネスプロセスを所与のものとして製品・価格・チャネル・プロモーションだけを決定していたのではないでしょうか。

 しかし、「顧客価値の増大をめざし」「ビジネスの構造を造る」には顧客と企業の間・企業間・部門間のコミュニケーションがボトルネックとなることが多いのです。コミュニケーションのボトルネックを解消するにはITの力が必要です。ビジネスモデルが注目されるようになった背景には、やはり情報技術の変化があります。メインフレームからパーソナルコンピューティングへ、専用回線による通信からインターネットへという変化がビジネスモデル構築の基盤となっています。一部には、ビジネスモデル=eビジネスという捉え方もあります。コミュニケーションがビジネスのボトルネックとなっている場合には、これも間違いではないでしょう。ただしコミュニケーションだけがビジネスモデルの要素ではありません。

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