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製造企業のデリバリー管理とSCM
第1章 デリバリー管理
1.1 はじめに
 (2)デリバリー管理・SCM・ビジネスモデル

 本連載では、ビジネスモデルを論じる前に、デリバリー管理とサプライチェーンマネジメント(SCM)について解説していきます。筆者は、デリバリー管理・SCM・ビジネスモデルは密接な関係があると考えています。企業の資源と活動があるレベル以上に達していないとビジネスモデルは再構築できません。そのレベルアップの基盤となるのがデリバリー管理とSCMです。ここではデリバリー管理・SCMの定義とビジネスモデルとの関係を提示します。

 まずデリバリー管理です。製造業における管理活動は、多岐にわたります。しかしいくつかの観点から整理することができます。その観点は3つに大別されます。ひとつはヒト・モノ・カネといった資源別の労務管理、設備管理、在庫管理・財務管理といった観点です。2番目は設計管理、生産管理、販売管理といった業務機能別の観点です。そして3番目は品質管理、コスト管理に代表される目的別の観点です。

 製造業の活動を目的から捉える場合、その代表は略号でQCDと呼ばれます。QCDの3文字はそれぞれ品質、コスト、デリバリーを表わすことは言うまでもありません。現在ではこの3つにSafety・Moral・Environmentを加えることもあります。

 「デリバリー管理」とは製造目的のひとつであるデリバリーに関連する管理活動を意味しています。「デリバリー管理」とは以下のような定義です。
デリバリー管理:
 材料入手からお客様への商品提供に至るまでのモノ・カネ・情報のフローのタイミングと、それを決定する社内の活動を望ましい姿にする

 「デリバリー管理」は聞きなれない言葉でしょう。これは筆者が命名したものです。従来からモノのフローのタイミングに関わる管理は存在しました。「納期管理」「工程管理」「在庫管理」などです。また業務機能別に見た場合にもタイミングに密接に関連するものがあります。「購買管理」「受注管理」「出荷管理」「物流管理」などです。

 ところがこれらタイミングに関連する管理を、目的の側面から「デリバリー管理」と呼ぶことはありませんでした。3つの代表的な目的のうち、QとCに対しては「品質管理」「原価管理」があります。しかし「デリバリー管理」だけがなかったのです。その理由は次節で明らかにしましょう。

 次にサプライチェーンマネジメントです。SCMは調達・生産・販売の活動を鎖の環に見立て、その連鎖をコントロールするものです。ビジネスモデルと同様、サプライチェーンマネジメントに対しても様々な解釈が存在します。この概念は米国で提唱され、日本には主にコンピュータ業界が紹介した経緯があります。

 そのため、コンピュータソフトや情報システムといったSCMの実現手段が強調されているきらいがあります。例えば調達・生産・在庫の計画を支援するソフトにサプライチェーン・プランニング・ソフト(SCP)と呼ばれるものがあります。SCMという言葉はSCPと同義で使われることがあります。また、最近では企業間の電子商取引、特にインターネットを利用したものを指してSCMと呼ぶことも多いようです。

 筆者はSCMを次のように定義しています。
サプライチェーンマネジメント:
 調達・生産・販売の活動を部門間・企業間で連動させ、モノの流れをスピードアップする。

 ここでは、SCMを実現手段ではなく、対象と目的の側面から定義しています。ビジネスモデル・SCM・デリバリー管理の定義は、似ている部分と違う部分があります。対象と目的の側面からは次のようなことが言えます。デリバリー管理とSCMは目的は類似しています。しかしデリバリー管理は、企業内の活動を全体にレベルアップすることに主眼があるのに対して、SCMは諸活動の連動に重点があります。一方ビジネスモデルは顧客価値の増大を目的としています。そのため、顧客や競争相手との関係を見なおすことに重点があります。現業部門だけでなく、マーケティングや経営戦略を含めた活動の構造を再構築することが手段です。

 デリバリー管理・SCM・ビジネスモデルの3つは相互に補完関係があります。例えばいきなりビジネス構造を再構築できるわけではありません。諸活動とその連動が一定レベルになければ再構築してもムダでしょう。また調達・生産・販売の個々のプロセスのレベルが低い状態で、サプライチェーン・プランニング・ソフトを導入しても連動は実現しません。逆にモノの流れが良くなっても、顧客価値を増大する方向に向かわなければ、市場環境が変化すれば売上が下がって儲け続けられないでしょう。

 3つの関係を、対象範囲の観点から表すと図1.2のようになります。デリバリー管理が基盤となって、SCM・ビジネスモデルが展開可能になります。筆者は、SCMを企業内、グループ企業内の範囲で展開する場合は、デリバリー管理の推進と捉えたほうが良いと考えています。次項からは、基盤となるデリバリー管理と、その標準形である全社的デリバリー管理の進め方について解説します。

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