納期半減の生産清流化

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■今日の視点2019
 2018年  2020年

2019/7/13 三菱がボンバルディアを買収
 6月25日、三菱重工業はカナダのボンバルディアの小型旅客機事業の買収に合意したことを発表した。三菱重工はボンバルディアの小型機CRJの型式証明、販売、保守、顧客サポートなどを引き継ぐ。米国とカナダの4カ所のサービス拠点はスペースジェット(旧MRJ)にも使われるという。
 旅客機は、需要増が続くということで三菱重工業が参入しようとしてきた。しかし日本航空機開発協会のデータなどを見ると、需要増といっても機体数で年率ひと桁パーセントのレベルである。単価低下を想定すると既に成熟市場である。企業の事業統合などが起きているのも成熟市場の典型的な動きである。
 成熟市場に後から参入しようとする企業は、開発主導の夢見る体質ではなく、財務主導の冷徹体質でなければ成功しないだろう。国が主導する国策体質の企業に勝ち筋は残っているのだろうか。

2019/6/29 老後2000万円問題
 6月3日、金融庁のワーキンググループが「高齢社会における資産形成・管理」なる報告書を公表した。これを端緒としたいわゆる老後2000万円問題が国会で問題となった。結局、ワーキンググループに諮問していたはずの財務大臣が報告書の受取りを拒否する事態となったが、野党が7月の参議院選挙の争点にしようとしている。
 個人差はあるが年金だけで老後資金が安泰な人は稀であろう。そんなことは国も個人も以前からわかっていたはずだ。しかし政府は「100年安心」などというキャッチフレーズでごまかしてきた。個人も思考を放棄した人が多かった。
 歴史を紐解くと軍人や公務員以外の労働者向けの年金は、1942年に施行された労働者年金保険法に端を発する。このときの目的は戦費調達だった。1942年当時の平均寿命のデータは不詳だが、1947年の政府統計によると男性の平均寿命は50歳、女性は54歳であった。1942年にはこれよりも短いと思われる。その時代に支給開始年齢55歳ではじめた制度である。最初は国の丸儲けだったはずだ。
 その後、支給開始年齢は55歳から60歳、65歳と引き上げられ、給付水準も改訂されてきた。しかし1950年代に平均寿命が60歳を突破したころから制度の破綻は必定だった。半世紀以上ごまかしを続けてきたのだ。いまさら報告書をなきものにしても、うやむやにできるものではない。

2019/6/15 MRJの改名
 6月5日、三菱重工業はカナダのボンバルディアの小型旅客機事業の買収に関する事前協議を進めていることを発表した。整備拠点等を得たい三菱側と旅客機事業を再編したいボンバルディア側の双方にメリットがあるとされる。またMRJの改名も発表された。新名称はMitsubishi SpaceJetだそうだ。改名の目的はイメージ刷新にあるようだ。
 MRJには納期遅れのイメージが染みついている。当初2013年とされていた納入は現在2020年半ばとされている。だがこれも達成できるかは不透明である。イメージ刷新といっても略語ではMSJでありRがSに一文字後退したに過ぎない。「撤退」を「転進」と呼び変えた旧日本軍の姑息さに通じるものがある。
 国策事業として進められているMRJは、常に市場や企業の実力よりも国の思惑が優先されてきたように思う。国が先導する事業は甘い計画に特徴がある。MRJ改めMSJはますます原子力や半導体に似てきた。

2019/6/1 レアアースという爆弾
 6月1日、中国は米国からの輸入品の関税を25%に引き上げた。関税引き上げの応酬となっている中で、アメリカが中国からの輸入品に課す追加関税の対象からレアアースは除外されている。だが今週、中国の習近平主席がレアアースの工場を視察したというニュースもあった。メディアは中国がレアアースの禁輸に向かうのではないかという憶測を示している。
 レアアースは産業のスパイスとされる。少量使うだけで磁石や光学ガラスの性能を飛躍的に向上させる。レアアースの関税や禁輸は産業への影響が大きいことを米中両国とも認識している。しかしそれゆえ中国が切り札として使うことが想定される。
 関税引き上げだけでなく禁輸という手段を使うならば、貿易戦争での爆弾となるものはエネルギーや食料などもありそうだ。わが国は貿易戦争が長期化することを想定して立ち位置や戦略を考える必要がありそうだ。

2019/5/18 鎖国の時代
 米中貿易戦争が激化している。5月10日、米国は2000億ドルにあたる中国からの輸入品に対する関税を10%から25%に引き上げた。トランプ大統領は保護貿易主義によって、自身の支持者へアピールしたいのだろう。だが、追加関税は商品の値上げによって、米国消費者が負担することになるという説もある。
 グローバル化とは世界の国が相互に助け合うことでもある。グローバル化が進展した中で保護貿易主義に舵を切っても誰も得をしない。私はそう考えていた。だが長期に続けたらどうなのか。グローバル化とは助け合いの一方で、競争激化・先進国の賃金低下と人余りを生んできた。それが変わる可能性がある
 日本は江戸時代に経験している。いわゆる鎖国である。実際には海外との貿易は行われており鎖国には当たらないという説もあるが、現代なら保護貿易主義に相当するだろう。江戸時代の前は自由貿易・グローバルの時代だった。それを鎖国に舵を切った結果が江戸時代250年の安定的繁栄である。
 保護貿易主義とは地産地消ということである。長期に続ける覚悟があるなら悪くないのかもしれない。だが問題は米国大統領が長期展望を持っていると思えないことである。

2019/5/4 MRJの試験成績は?
 4月16日、三菱航空機の水谷社長が会見を開いた。会見によると、国産ジェット旅客機MRJは3月3日から米国で型式証明のための試験飛行を開始したとされる。現在の試験には4機が充てらている。さらに納入延期の原因となった設計変更を反映した試験機2機を6月末までに完成させる予定という。
 現時点で、初号機納入は2020年半ばとされている。しかし試験飛行には、それ自体にかかる日数と試験で出た問題を対策する日数が必要である。試験をすれば必ず問題は発生する。その発生量によって試験期間は大きく変わる。
 ボーイング787は試験飛行開始から型式証明取得までに1年8か月かかった。ホンダジェットは約2年かかった。両機ともに機体とエンジンの両方が初物でありMRJのケースに似ている。さてMRJはどうなるか。

2019/4/20 自動車産業の嘘
 4月12日、スズキは検査不正問題に関する調査報告書を発表した。資格を持たない検査員による検査や、不合格車両を合格としていた事例があったという。4月18日には国土交通省へ202万台のリコールを届け出た。
 スズキは2016年夏には試験を行わない燃費表示が問題とされた。2015年3月には199万台のリコールを発生させていた。しかし検査不正は最近の問題ではなかった。報道によると1981年6月から不正が行われていたとされる。
 日産、スバル、三菱自動車など自動車業界ではたびたび不正やリコール隠しが発覚してきた。日本の基幹産業のひとつである自動車産業は、長い間、嘘や不正を部品としてきたことがはっきりした。

2019/4/6 平成31年度の行方
 4月1日、次の元号「令和」が発表された。はじめて聞いた時には「零和」つまりzero sum、あるいは「冷倭」つまりcold Japanを連想した。最初はこの連想から違和感を感じ、次にこの連想が今の日本に合うような気がし、さらに1日後には慣れから特別な感情は湧かなくなった。
 元号の字や音よりも気になるのは始まる日付である。なぜ5月1日始まりにしたのか。4月1日始まりにすれば国の年度と一致した。それをわざわざズラした。年度はスタートした日の年で呼ばれるのが通例である。「平成31年度」が始まったところだが、この呼び方をどうするのか。
 個人的には和暦を使わないようにしているが、役所との付き合いの関係で気になる。「平成31年度」の名称を継続するのか。5月1日から「令和元年度」に衣替えするのか。衣替えしておかないと、令和2年になっても「平成31年度補正予算」などという代物が登場する事態になる。しかし衣替えした場合、年度の中の月を言及するときどうするか。「令和元年度4月」と呼ぶのか。
 改元はもともと為政者の権力を示すために行われたと聞く。国民生活に不都合が出るほうが権力を示せるのだろう。オリンピックのためのサマータイム論と同じで、いい迷惑である。

2019/3/23 ボーイング737MAXの事故
 3月10日、エチオピアのボレ国際空港から離陸したエチオピア航空機が離陸6分後に墜落した。乗員・乗客157人が犠牲となった。飛行機はボーイング737MAX8型である。
 原因と目されているのは2017年に就航した737MAXシリーズに搭載された操縦特性向上システム(MCAS)である。MAXシリーズは燃費向上のためにエンジンが換装された。その影響で重心位置が変わり、失速しやすくなったとされる。その失速を回避するために追加されたのがMCASである。
 2018年10月にはインドネシアで同型機が類似の墜落事故を起こしている。その事故の状況も合わせるとMCASが原因との疑いが濃くなっている。センサーに不具合があると、MCASが機首下げ、つまり地面に近づく方向に制御するのだ。
 もう一つ問題なのはMCASの自動制御を解除する手順が複雑だということである。ボーイングの航空機は自動操縦中に手動操作を加えた場合、手動操作に切り替わるとされてきた。ところがMCASの解除はこの設計思想を踏襲していないようだ。事故機のパイロットはMAX8型の訓練を受けていなかったという報道もある。つまり、MCASの異常が発生し、手動操作への切替もできずに墜落したと推測される。
 どんな機械でもユーザインターフェースを変えるのは慎重でなければならない。だが航空機であっても操縦方法が安易に変更される状況が不安である。

2019/3/9 幻の景気拡大
 3月7日に内閣府から2019年1月の景気動向指数が発表された。その結果、1月に達成したとみられた「戦後最長の景気拡大局面」が幻になる可能性が出てきた。
 あらためて景気動向指数のグラフを眺めていると、消費税が8%になった2014年4月以降、指数は横ばいである。そもそも景気拡大と景気後退の2種類しか呼び方がないのが問題だと思う。この5年間「景気停滞」と呼ぶのが実感に合っている。
 「景気停滞」の実態に「景気拡大」という語をあてるのが第1の幻である。さらに日銀が株を買い支えるという禁じ手を使ってきた結果の停滞である。ここに第2の幻がある。
 加えて景気動向指数には毎月勤労統計調査の結果が反映されている。毎月勤労統計の改ざんを修正したために内閣府のホームページには修正に関するお知らせがあがっている。景気動向指数には毎月勤労統計以外の要素も反映されていると思うが、それらも改ざんされているのではという疑念がぬぐえない。指数自体が幻である可能性も否定できない。

2019/2/23 ふるさと納税100億円還元の欺瞞
 2月5日から大阪府泉佐野市がふるさと納税に関する「100億円還元閉店キャンペーン」を開始した。返礼品のほかに10-20%のAmazonギフト券をつけるものである。泉佐野市はふるさと納税に関して昨年から総務省との確執があった。その対立がピークに達したのが今回のキャンペーンである。私は最初、泉佐野市に肩入れしたい気持ちだった。だが今は違う。このキャンペーンは欺瞞と誇大をまとっているからだ。
 最初の疑問は「100億円」である。泉佐野市の平成30年度の予算規模は、一般会計予算563億円、うち人件費が55億円である。その規模の市が、なぜ100億円還元できるのか。それは先に寄付金をもらうからである。返礼品を仕入れる運転資金の調達は心配しなくてよい。民間企業では考えられない仕組みである。お役所ならではの特権を利用している。
 運転資金の問題がないとしても、まだ疑問がある。受付事務や返礼品の多さで破たんすることはないのだろうか。事務を外注し、地元産品が少ないようなのでこれもクリアできそうである。
 次の疑問は「何が100億円なのか」という点である。私は最初Amazonギフト券の合計が100億円なのだと思った。だが泉佐野市のサイトを見ると「100億円還元」「なくなり次第終了」とだけ書かれている。返礼品+ギフト券で100億円かもしれない。地元産品がなくなったら終了かもしれない。これに関する説明は発見できなかった。
 つまり相手の資金、外注の人員、大手企業の返礼品に頼った詐欺まがいのキャンペーンなのだ。最大の問題は、良心を捨てさえすれば他の市町村が容易に模倣できることである。模倣犯が横行すると、結果的に地方税の合計は目減りし、大手企業とAmazonだけが儲かることになる。

2019/2/9 消える北方領土
 2月7日は「北方領土の日」だった。昨年の北方領土の日の政府広報には「わが国固有の領土」という言葉があったという。それが今年の政府広報では消えていると話題になっている。今国会の首相や外相の答弁からも「わが国固有の領土」という言葉が消えたという。
 わが国はこれまで一貫して北方領土4島に対するソ連やロシアの不法占拠を主張してきた。その主張を引っ込め、2島返還での妥協に舵を切った。だがその妥協で合意できる保証はない。結果的に0島となる可能性も大きい。
 このままでは言葉だけでなく実体としての北方領土も消えそうである。四国に次ぐ面積の島は択捉島と国後島であるが、このままでは沖縄本島がランクアップすることになる。もっとも沖縄も日本固有の領土と言い難い実態がある。政府は外国に金や領土を差し出して何を得ようとしているのか。その説明もなく進む状況では、金や領土を政治家個人の保身のために使っていると思わざるを得ない。

2019/1/26 日立製作所がイギリス原発撤退
 1月17日、昨年から噂されていた日立製作所のイギリス原発の建設凍結と事業の中断が発表された。事実上の撤退であろう。工事総額は200億ポンド(約2兆8000億円)とされていたが、凍結によって2019年3月期に3000億円の損失を計上するという。日立は2017年にウラン濃縮の開発事業から撤退したが、今回も損失が3000億円で済んで良かったというべきだろう。これ以上進めても傷が深くなるだけだ。
 東芝は、子会社のウェスチングハウスが経営破綻して原発輸出から撤退したが、撤退の決断が遅れたことで大きな傷を負った。残るは三菱重工業である。破綻懸念があるフランスの原子力大手アレバへの出資は既に取返しがつかないが、トルコの原子力発電所の事業も撤退する方向と伝えられている。これも早く決断したほうがいい。三菱はジェット機MRJの開発遅延リスクも抱えているからである。
 これで日本の原発輸出は全滅状態となる。苛烈な原発事故を起こした国が原発を輸出するのは、そもそも無理筋だった。原発輸出だけでなく国内のエネルギー政策も早く転換することが望まれる。無理筋の原発に代わる自然エネルギーへの転換を進めないと、原油価格上昇で2018年に続いて2019年の貿易収支も赤字になりそうだ。

2019/1/12 異常の日常化
 2019年が始まった。昨年から続いているのは異常の日常化ではないだろうか。常時ある異常気象はすでに変動の範囲となっている。株価は乱高下しているが、背景にあるのは日銀の買い支えという異常施策である。これもまた常態化している。日韓問題も異常事態だが、日常の風景となりつつある。
 厚生労働省の毎月勤労統計の不正も「また厚生労働省か」という感想だけを残しそうである。省庁や自治体の障がい者雇用の不正についても誰かが責任をとったという話は聞かない。日産を初めとした企業内の不正も毎日のように報道されている。
 日常化した異常に慣らされるのが怖い。異常は「異常である」と言い続ける必要がある。さもないと気がついたらとんでもない状態にさらされているような気がする。

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