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2013/12/22 国内での国際化
 12月20日に、年間の訪日外国人旅行者数が1000万人を突破したという報道があった。1000万人超は初めてだそうだ。今年は特に東南アジアからの旅行者が増加したという。1000万人目として表彰式に招かれたのもタイ人夫妻だった。当初は、2010年までに1000万人を達成する計画だった。しかしリーマンショックや東日本大震災の影響で3年遅れた。政府は、2030年までに年間3000万人を目標にしているそうだ。
 円安やLCCによる航空運賃の値下がりなど複数の要因があるが、アジアを中心とした各国の経済発展から旅行客の人数が増えて行くことは間違いない。企業活動の国際化というと海外拠点の設立や輸出を想像しがちだ。しかし、国内にいながら外国人の需要を捉えられるチャンスは増えている。旅行客はもちろんであるが、インターネットを通じた通信販売などでも簡単に国境を超えられる。参考になるのが旭川市である。外国人旅行者が多い旭川市では観光案内所や商店では多国語表示になっているところが多い。日本語のほかに英語、韓国語、北京語、台湾語の合計5カ国語が表示されている。今ではタイ語の表示もあるかもしれない。こうした工夫で国内にいながら国際化できる余地はまだたくさんある。

2013/12/8 改正電気事業法が成立
 特定秘密保護法にまつわる国会のゴタゴタで見落としていたが、改正電気事業法が11月13日に参院本会議で可決されていた。この法律は電力システム改革のスケジュールを盛り込んだものである。2015年の広域運用機関の設置、2016年をめどに実施する小売自由化、2018〜20年をめどに進める発送電分離を3本の柱としている。
 1951年に成立した電力制度を60年ぶりに改革するものである。大手電力会社による地域独占体制を変え、電気料金が安くなるだけではない。廃炉コストや事故時のコストが大きい原子力発電や、輸入燃料に頼る火力発電所への依存度が下がり新エネルギーの開発が進む。エネルギー面からの安全保障上、重要な改革である。
 問題はスピード感である。2018年〜20年とされる発送電分離は遅い。しかも「目処」である。時期を確約したものではない。東京オリンピックに追い越されないことを望む。

2013/11/23 板橋区は光学機器の産地だった
 昨日は板橋区にある会社で仕事をしていた。板橋区は光学機器の産地であることを最近知った。その歴史は明治9年に建設された板橋火薬製作所から始まったという。板橋区蓮沼にある東京光学機械(現トプコン)は、戦前には陸軍の光学兵器を生産していた。最盛期の昭和7年には従業員7000人の大工場だったそうである。トプコンは現在でも測量器や眼科検査機で知られる。
 戦後、この地は光学機器の製造と輸出に力を発揮したそうである。昭和37年と38年の日本の光学機器輸出額の70パーセントが板橋区で製造されたという。現在でもトプコンの本社や、リコーグループの一員となったカメラや双眼鏡メーカーのペンタックスの本社が板橋区にある。板橋区には東京都立産業技術研究センターの本部があった。2011年に江東区青海に移転したのだが、今でも光学部門は板橋に残っているという。
 光学機器メーカーは中仙道沿いに埼玉県まで広がっており、世界の双眼鏡のOEM供給元となっている鎌倉光機株式会社は埼玉県蕨市にある。ただ国際化の進展で、これらのメーカーの役割は少しずつ変わっている。高度な医療用機器はいまでも日本で作られているようだ。しかし一般の双眼鏡の場合、最大の販売者は米国にある。米国で商品企画され、設計を日本メーカーが受託し、実際の製造は中国で行われるといった国際分業が行われている。

2013/11/9 猛烈台風の恐怖
 11月4日に発生した台風30号は8日に最低気圧895hPaを記録した後、フィリピンに上陸した。最大瞬間風速90m/sとも言われる台風の上陸で、フィリピンでは死者1万人を超える被害があった模様である。
 最低気圧が900hPa以下だった台風を20年前まで遡って調べてみた。今年の30号を含めて以下の3つだけだった。
  ・2013年30号 最低気圧895hPa 最大風速125knots(約64m/s)
  ・2010年13号 最低気圧885hPa 最大風速125knots(約64m/s)
  ・1998年10号 最低気圧900hPa 最大風速110knots(約57m/s)
いずれもフィリピン付近を通過している。1998年の10号はフィリピンの北を通過した後、台湾を通って日本にも上陸している。もっとも日本に上陸したときには975hPaとなっていた。
 猛烈クラスの台風がどの様なものなのか。日本が経験したものでは10年前2003年の14号が参考になる。
  ・2003年14号 最低気圧910hPa 最大風速105knots(約54m/s)
この台風は最低気圧に達した直後に沖縄県の宮古島に上陸した。宮古島気象台では大瞬間風速74.1m/s、航空自衛隊宮古島分屯基地では最大瞬間風速86.6m/sが観測されている。宮古島では駐車した車が横転したり電柱が軒並み倒れるなど大きな被害が出た。風力発電機が鉄塔ごと倒れたものがあった。この台風は韓国でも被害を与えている。死者・行方不明者が100名を超え、釜山港ではクレーンが数十基横倒しになった。
 亜熱帯化している日本では、今後こうした猛烈クラスが直撃することも想定する必要がありそうだ。

2013/10/26 水害を増幅する行動
 10月26日の朝の時点で台風27号と台風28号が関東地方に最接近している。2つの台風が同時に関東沖を通過する形となった。先週の台風26号では伊豆大島で死者と行方不明者50人を超える規模の土砂崩れが発生した。私の住む神奈川県でも海岸と川で3人が死亡した。
 近年台風や梅雨の季節に大雨による水害が発生することが増えている。雨が多く山がちな日本では以前にもまして水害の対策が必要である。しかし堤防をかさ上げするといったハード面の対策だけでは限界があるのではないか。大自然の猛威に対してハードウエアだけでは対処できないことは、東日本大震災で経験した。あぶないときには逃げるといった行動面・心理面での対処が重要ではないか。
 伊豆大島で災害が発生した10月15日から16日にかけて、東京近郊では通勤通学など日常の活動が行われていた。だが台風26号の進路があと100km北にずれていたら、東京都内でも大災害が発生した可能性が高い。日本人は仕事を休まないのが美得と考える人が多い。だが仕事のために自然の猛威に立ち向かう必要はない。あぶないときには逃げる・休むといった習慣をつけないと被害を増幅する。

2013/10/14 台風26号発生
 大型で非常に強い台風26号が日本の南海上で発達中である。16日には本州に近づく予報である。それにしても今年は台風が多いような気がする。現時点で26号である。太平洋の海水温が高いのだろうか。
 1951年以降で台風が多かった年を調べてみた。年間35個以上の年が4回あった。1966年の35個、1967年の39個、1971年の35個、1994年の36個である。今年が特に多いわけではなさそうである。しかし近年は台風が日本に近い場所で発生・発達することが多い。日本近海の海水温が上がっているのだろう。
 東京では10月になっても最高気温が30℃を超える日が観測されている。冬は大雪となるとの予報もある。こうした天候の変化は経済に確実に影響するだろう。東京でも亜熱帯の国と雪国の両方の商品・サービスが必要になるのではないか。

2013/9/28 汚染水問題の本質
 9月25日、超党派の国会議員で作る「原発ゼロの会」と国会エネルギー調査会準備会有識者チームが会合を開いた。この会合には民主党の馬淵澄夫衆議院議員が出席し、当時の政府の対応をの証言した。それによると東電は2011年6月に汚染水の海洋への拡散を防ぐ遮水壁の設置を検討していたという。しかし約1000億円と試算された遮水壁の設置は先送りされた。株主総会を控えていた東電が債務超過に陥ることを嫌ったためである。
 これは2011年6月20日の毎日新聞でも報道されていた。迂闊にも見逃していたが、やはり汚染水は技術の問題ではなく経済と政治の問題で先送りされているだけだった。
 問題の先送りは行動経済学で言われる「現状維持バイアス」と同じ原因である。人間は将来の大きな影響を過小評価する傾向がある。脳内にある狩猟型の古皮質(目の前のことに反応する)が農耕型の前頭葉(将来を予測して判断する)に勝った状態である。問題の先送りが怖いのは組織的に蔓延することである。「みんなで渡れば怖くない」という状態になる。感覚的に怖くないだけであって本当の怖さが減るわけではない。それこそが真に恐怖すべき状態である。

2013/9/14 福島第一原発の汚染水問題
 日本時間の9月8日朝、2020年のオリンピック開催都市が東京に決まった。プレゼンで安部首相は「福島第一原発の汚染水はコントロール下にある」と明言した。しかし9月13日、東電の山下和彦フェローが「今の状態はコントロール出来ていないと我々は考えている」との発言が報道された。この食い違いが新たな議論を呼んでいる。
 汚染水問題の本質はどこにあるのか。本質をわかりにくくしているのは「放射能を含む汚染水」というコトバである。これによって技術問題であるかのように思ってしまう。だが核心となっている現象は、タンクや原子炉格納容器などからの水漏れである。日本の建築・土木の技術水準からすると大きな問題ではない。単なる責任意識の希薄か経済性重視からくる東電の怠慢の問題である。またそれを放置してきた行政と政治家の問題である。水漏れに対処できないようでは普通の原子炉の廃炉作業もできない。
 本質は「問題を先送りする体質」にある。問題の原因が技術や他の人にあるかのように装い、自らの責任を隠蔽する。その体質が核心である。オリンピックが開催される2020年には安部首相も東電社長も猪瀬知事も現職にはいないだろう。だが先送りのツケが回される先だけは明確である。

2013/8/30 MRJの納入延期
 8月23日、三菱航空機が開発している国産ジェット旅客機MRJの納入が2017年4〜6月に延期になると発表された。2008年3月時点では2013年納入開始だった。その後、納入開始時期は2014年、2015年後半と2回延期されてきた。今回で延期の発表は3回目である。2013年の初飛行も2015年4〜6月に変更された。航空当局からの型式証明の手続きが予想以上だったこと、北米生産の部品調達が遅れていることを理由として挙げている。
 これでライバルと目されるカナダのボンバルディア社で開発中の110-130席クラスのCシリーズと時期的に差をつけられた。ボンバルディアCシリーズは2013年7月に初飛行、2014年4-6月に納入の予定である。またブラジルのエンブラエル社で開発されている90−144席クラスのE-ジェットE2(2018年納入予定)に対する納期面の優位性は失われつつある。
 7月にメールを貰ったシカゴへ出張中の三菱航空機に勤める友人は、いつ帰ってこられるのだろうか。

2013/8/16 東京電力が節電見通しの修正
 8月15日の報道によると、東京電力が融資を受けている金融機関に示した収支見通しのなかで、「節電量は毎年度少しずつ減っていく」としてきたこれまでの想定を改めていたことが分かった。2012年度度並みの節電量が2013年度以降も続くと修正したという。東京電力は「利用者の節電意識がいまも高いため」としているが、意識だけの問題ではない。
 家電製品、事業用電気機器の節電技術は年々進歩している。家庭用の太陽電池や燃料電池の普及も進んでいる。企業では東京電力以外の電力事業者からの購入も進展している。そもそも日本は人口減少局面に入っている。長期的に電力需要が増える要素はもともとない。それを知っていながら甘い収支見通しを出して時間かせぎをしていたとしか考えられない。利用者の意識のせいにするのはお門違いである。
 そもそも東京電力の最大需要量を記録したのは、2001年7月24日の6430万kwである。今から12年前の話である。そこから長期的な減少局面になっているのは明白なのだ。

2013/7/27 MRJの開発遅延
 7月25日、三菱航空機が開発している国産ジェット旅客機MRJの初飛行が遅れる可能性が報道された。北米生産の部品、特にエンジン関係の調達が遅れているとのことである。2008年3月にMRJの事業化を決めた時には2011年の初飛行、2013年に納入開始の予定だった。2009年には主翼の素材の変更などを理由に納入開始を2014年に変更した。さらに2012年4月にも納入開始を2015年後半に変更した。今回はそれに続く3回目の計画変更である。
 航空機業界では「機体とエンジンの両方が新型だと開発は遅れる」というジンクスがあるという。ボーイング787がそうであった。プラット・アンド・ホイットニー社の新型エンジンを搭載するMRJもこのジンクスから逃れられないようだ。787と違うのはライバルのリージョナルジェットが先行している点である。開発遅れは営業面での苦戦に直結する。
 7月24日に三菱航空機に勤める友人から「7月からシカゴへ長期出張中、MRJでの北米での調達のテコ入れのため」というメールを貰ったばかりであった。友人の健闘を期待したい。

2013/7/13 ボーイング787で火災
 7月12日、ロンドン・ヒースロー空港に駐機していたエチオピア航空のボーイング787で火災が発生した。火災発生当時、搭乗者はなくけが人はない。現場の写真を見ると、胴体の後半部分で垂直尾翼の前あたりの胴体上部が焼けたようである。
 気になるのはバッテリー問題との関係である。787はバッテリーから出火するなどのトラブルで一時期運行停止となっていた。それが今年4月に解除されたところであった。Aviation Wireの記事を参照すると胴体の後半部分にはバッテリーは搭載されていない。トラブルだとすれば別種のものである可能性が高い。
 原因がトラブルであっても犯罪であっても再発防止が待たれる。一般にシステムが大規模になればなるほど想定外の事態が増える。トラブル対策は、経験の積み重ねがものを言う。新しいシステムのトラブル対策は、製造者だけでなく運用者、利用者が一体となって経験情報を交換していくことが重要だと思う。

  2013/6/29 電気事業法改正されず
 6月26日、参議院本会議で安倍総理大臣に対する問責決議が可決された。ねじれ国会の影響によって法案採決が行われないまま国会が閉会した。このため衆議院を通過していた電気事業法改正案が廃案となった。政府は秋の臨時国会に再提出するという。
 資源が少ないわが国にとって、エネルギー問題は経済だけでなく安全保障上でも重要な課題である。電気事業法回生は中長期的なエネルギー政策の柱であったはずだ。それを問責決議のために廃案とした野党の責任は重い。

2013/6/16 電気事業法改正
 6月13日、衆議院本会議で電気事業法改正案が可決された。これは電力システム改革のスケジュールを盛り込んだものである。2015年の広域運用機関の設置、2016年をめどに実施する小売自由化、2018〜20年をめどに進める発送電分離を3本の柱としている。アベノミクスの影に隠れているが、これは日本の中長期的な経済を左右する最も重大な施策である。エネルギー供給の構造転換を促すものである。
 日本は人口縮小、経済停滞、省エネの進展から電力需要量の縮小が続いている。これまでの硬直した発送電体制のままでは、電力単価の上昇が続き、日本経済の足を引っ張ることは間違いない。電力の自由化が進めば、廃炉コストや事故時のコスト負担が大きい原子力発電は淘汰される。世界の需給や為替に左右される石油火力も淘汰される。新エネルギーの開発が進みそれに伴う新たな産業が進展する。
 問題は時間である。2018〜20年に発送電分離ではいかにも遅い。医薬品のネット販売解禁よりも先にやってほしいところである。

2013/5/31 第4の矢は何か
 日経平均は5月23日に一時15900 円台を記録した。2007年12月以来のことだという。その後、急落し5月31日の終値は13,774円となっている。株価の反落は上昇中の調整局面なのか下降の始まりなのかはわからない。だが企業の24年度決算や政府の25年度予算が固まった現在、上昇を促す材料は少なくなっている。
 一方アベノミクス3本目の矢である成長戦略の骨格が見えてきた。女性や若者の活躍を織り込んだ点では画期的だが実現には時間がかかる。2本目の矢である金融緩和策と3本目の矢である成長戦略の間には時間軸の面で大きな断絶がある。
 経済の停滞の原因は不安や不信にある。他人の提供するものに不信がある、企業の雇用に不安がある、政府の政策に不信があるといった状況で、人は貯蓄に走る。お金は消費に回らない。お金を使っても資産への投資である。投資に成功した人と失敗した人の間で格差が拡大する。経済を成長させたいのなら、今必要なのは不安や不信を払拭する第4の矢ではないか。

2013/5/20 富士山の見える場所
 富士山の世界文化遺産への登録が近づいている。ただし三保松原の除外が登録の条件とされている。三保松原が富士山から45キロ離れているからだ。個人的には三保松原は拡大解釈しすぎと思う。富士山が見える景勝地を文化遺産とするなら富士見を名乗る場所は全部文化遺産になってしまう。
 ただし富士山を信仰や心の拠り所として見る文化は否定しない。関東に住んでいると、富士山が見える/見えないは気になる。私が住んでいる相模原市には富士見という町がある。だが実際には地上から富士山は見えない。高層マンションなど高い場所からかろうじて頭だけが見える状態である。富士見という地名は「見える」だけでなく「見たい」という願望も入っているのかもしれない。富士山が見える場所に引っ越してきた関西の人は、「富士山が見えるだけで嬉しい」という。
 「富士見の謎」(田代博著)という本によると、富士山はかなり遠くからも見えるという。富士山が見える最北遠地は福島県二本松市の麓山で距離は298kmである。最南遠地は東京都八丈島の271kmである。最西遠地は和歌山県の色川富士見峠でその距離は322.9kmだそうである。実際に見えるのはここが限界である。だが「富士山を見たい」という気持ちを世界の人に持ってもらえれば、観光資源としての限界は果てしない。

2013/5/4 安部首相の成長戦略スピーチ
 4月19日、安倍首相は日本記者クラブで「成長戦略スピーチ」を行った。6月に正式発表される成長戦略の骨子とされる。内容は成長産業について触れている。「健康長寿社会」から創造される成長産業・・・ということであるが、これについては新鮮味がない。過去の政権が繰り返し挙げてきた分野である。しかしそれ以外の分野に言及していない点は新しい。ただしこの分野だけで成長できるのかという疑問は残る。
 成長の鍵は、再生医療・創薬における「規制・制度改革」とされている。これも以前から聞いたような話である。だが規制改革を具体的に進めようとしている点は進歩である。
 今回の成長戦略では、誰が主役となるかに触れている点は評価できる。「失業なき労働移動」「世界に勝てる若者」「女性が輝く日本」というキーワードで表されている。だが若者と女性が活躍するには期待だけでは不十分であろう。老人や男性が持っている既得権を壊す「規制・制度改革」が必要と思うが具体策は乏しい。
 最大の問題は時間軸である。再生医療・創薬などの産業分野や女性の進出が実現するためには規制・制度改革を進めても相応の時間がかかる。「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする」とされているが、それまで政府の財政が持ちこたえられるのだろうか。

2013/4/20 TPP交渉開始
 日本が環太平洋連携協定(TPP)の交渉へ参加することについて4月20日に承認されることとなった。これでやっと交渉の席につける。TPPの交渉は2010年3月から始まっており、2013年末の妥結を目指しているという。3年間の遅れがどう影響するかは見通せない部分が多い。
 アベノミクスの成長戦略からみるとTPP参加は不可避だった。経済成長とは取引の増加に他ならない。貿易取引が増えることは経済成長につながる。収支が赤字だろうと黒字だろうと取引が増えれば経済規模は拡大する。だが成長する業界と縮小する業界が出てくることになる。縮小する業界の人や資源をどうやって成長分野に転換するかが課題となる。
 成長戦略で重要なのは、成長できない分野からの撤退戦略かもしれない。

2013/4/6 金融緩和策発進
 4月4日、日銀は金融政策決定会合で金融緩和の枠組みを決めた。日銀が供給するお金を2年で倍増させるという。予想以上の内容であったため、株式市場と為替市場は反応している。
 だが企業や個人の投資や消費は増えるのだろうか。食欲のない人に「お金ならあるよ」と言われても食事は注文しない。やはりアベノミクスの3本目の矢である成長戦略が機能しない限り、お金は物価上昇と資産バブルを引き起こしただけで終わりそうである。だがいまだ成長戦略は見えてこない。
 そもそも国民は経済的成長を望んでいるのかすら怪しい。内閣府が毎年行っている「国民生活に関する世論調査」の平成24年6月の結果を見ると、「これからは心の豊かさか,まだ物の豊かさか」という質問に対して「これからは心の豊かさ」との答えが64.0%、「まだ物の豊かさ」という答えた者の割合が30.1%となっている。この差は過去最大に開いている。心の豊かさはお金とは直接関係ない。お金を使うとしても心を豊かにする商品でないと食指を動かさないのだ。この点をリフレ派は見ていない。

2013/3/16 ネット時代の選挙区
 3月14日、昨年12月の衆院選に関する「1票の格差」について、名古屋高裁と仙台高裁での判決が出た。いずれも違憲とするものであった。選挙無効請求は棄却されたが、選挙区の定数是正が迫られる。
 一方、インターネットを活用した選挙運動が7月の参院選から解禁されるようだ。インターネットを利用した場合、様々な影響が予想されている。だが長期的には選挙区の考え方そのものにも影響が出る可能性がある。今までの選挙区は大選挙区制にしても小選挙区制にしても地理的な区分に基づいていた。ネットを利用すると地理的区分の意味が薄れる。例えば年齢別選挙区や性別による選挙区なども設定し得る。現在の選挙区から選出された議員は地域の代表であるが、選挙区が年齢区分ならば、議員は世代の代表となる。
 歴史を遡ると参政権は性別や納税額で区別されていた時代があった。ネット活用は参政権や区割りを根底から変えるきっかけになるかもしれない。

2013/3/2 CFRPの普及
 CFRP、いわゆるカーボン素材の製品を見かけることが増えてきた。CFRPが最初に普及したのは釣竿、ゴルフクラブ、テニスラケットなど趣味の用品だった。アユ釣り用の竿などは250g前後の重さで20万円近くするものもあるが趣味用ならば高価格でも売れた。その後、自転車フレームなど次第に使用量が多い分野にも普及が始まった。
 産業用の製品では航空機分野での普及が始まったところである。ボーイング787では機体の構成部品にCFRPが多用されている。航空機用途が始まったためにCFRPの使用量はケタ違いに増えた。次は自動車であろう。一部の超高級スポーツカーでは以前からシャーシやボディーにCFRPが使用されていた。だが一般の自動車にも使われるのは時間の問題であろう。鉄板をプレスするのと同程度の時間で成形する方法が研究されている。これができればボンネットなどから利用が始まると思われる。自動車のさらなる燃費向上のために軽量化が重要だからである。
 自動車で使われるとコストが一気に下がる。家庭用品や日用品にも波及してくる可能性が充分ある。製造業の関係者はCFRPのコスト下落がどこに波及するか予測しておく必要があるだろう。

2013/2/16 発送電の分離
 1月21日の経産省の自然エネルギーに関する「調達価格等算定委員会」が開催され、自然エネルギーの普及が検証された。国内の自然エネルギーによる発電能力は、2012年3月末に約2000万kWあり、さらに4月〜11月の8ヶ月で144万kWが増えたという。増えたぶんの9割以上が太陽光が占める。年間に換算すると216万kWである。大震災からの2年間で約400万kWである。福島第一原発の原子炉6基による発電量470万kWに迫る。
 コストや安定性は別にして、量的には脱原発が充分可能な勢いである。経産省では2014年以降に発送電の分離を進める意向のようである。それにより自然エネルギーへの転換がさらに加速される。エネルギー分野で世界をリードするためにもぜひ発送電の分離を早く実施されることを望む。

2013/2/2 アベノミクスの3本の矢
 アベノミクスは3本の矢からなるという。大胆な金融緩和、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略である。1月15日の閣議決定で平成24年度の補正予算が決定され、機動的な財政出動つまり公共事業の大盤振る舞いが始まった。次は大胆な金融緩和である。だがその効果は疑問である。量的緩和しても経営者の投資意欲が高まらない限り変化はない。金融機関の貸出姿勢も変わらない。
 そもそも既に銀行ではカネが余っている。2012年9月期の銀行の預貸率調査によると、預貸率は68.3%となり、年々比率が低下している。預貸ギャップは200兆円を超えており、貸出先のないカネが余っている。
 必要なのは3本目の成長戦略である。だがこれまでの政権が何度も成長戦略を描いてきている。今度も絵に描いた餅となる可能性が高い。戦略はプランの優劣よりも実行できるかのほうが重要である。企業や国民が実行する戦略にならない限り財政出動のツケだけが残る。

2013/1/20 独自性をスイスに学ぶ
 今年の私のテーマは独自性の追求である。「小笠原化」つまり「独自進化した商品で世界から注目される」という路線である。お手本のひとつはスイスである。2012年9月に世界経済フォーラムが発表した世界競争力ランキングでスイスは1位になっている。他にも生まれるのによい国ランキング1位、都市別の生活水準ランキングではスイスのチューリッヒが1位などを獲得している。また世界の国際恋愛ランキング1位、運動好きな国ランキング1位などランキング1位が多い国でもある。
 スイスの豊かさは高い労働生産性によるものとされている。それは金融、医薬、精密など得意分野を持つこと、強い中小企業群があることによる。基盤にあるのは独自の職業訓練システムと外国人労働者の活用であると言われている。日本にも参考になりそうな点が多くある。
 スイスの人口は757万人である。日本の都道府県でいえば741万人の愛知県とほぼ等しい。豊かさとは国の大きさやGDPの絶対額で決まるものではない。地域が独自性を追究することで実現できる。

2013/1/5 島国の独自性を発信する
 1月4日の東京株式市場は新年最初の取引で、11年ぶりの大幅高を記録した。日経平均株価の終値は10,688円11銭であった。東京外国為替市場の円相場も1ドル88円台まで下落となった。しかしこれは米財政再建などの課題の決着が2カ月先送りになったことの影響が大きいとする見方も強い。
 いずれにしろ株価上昇は日本経済の実力が上がったからではない。政府の金融緩和に対する期待感だけである。安部政権下で実体経済の構造転換が進むかは依然不透明である。
 日本経済が実力が回復する鍵は、独自性の追求であろうと考えている。私は昨年来「小笠原化」を提唱している。「独自進化した商品で世界から注目される」という路線である。独自進化して島に閉じこもるガラパゴス化ではなく世界から注目されるのが小笠原化である。製造業だけでなく、観光、マンガ、芸能、サービスなど独自性の高い分野は数多くある。課題は独自性をいかに発信するかにある。独自性プラス発信力が重要であろう。

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