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2014/12/20 送電網の整備と太陽光発電
 総選挙が終わった。熱狂や風がないままに。結果として与党自民党と公明党の数的優位は選挙前と大差ないように見える。野党の勢力図は変わった。これが私の関心事である電力自由化とその前提となる送電網の整備にどう影響するのか見極めたい。電力自由化は自民党・公明党・民主党共通の政策だったはずである。だが原子力発電所に対するスタンスは各党で異なる。その他の野党も自由化と原子力に対する見解はそれぞれである。
 関連して気になるのは太陽光発電の行方である。太陽光は発電量が気象に左右されるため融通が利かないとされるが本当だろうか。出力調整という意味で一番融通が利かないのは原子力発電である。原子力・火力・水力・風力の発電所はすべて交流発電機を使っている。交流発電機は負荷と出力をバランスさせないと電圧と周波数の両方が変動してしまう。制御面からも経済性の面からも出力を一番変えにくいのが原子力発電である。
 その点、太陽光は直流発電である。直流を交流に変換しているので負荷が変動しても周波数は変わらない。余剰となっている太陽光パネルをONOFFすれば出力を調整できる可能性がある。送電網の整備、つまり送電容量を増やし、ONOFFできる制御装置を導入していくことで太陽光パネルを融通の利く電源にできる可能性がある。国会の勢力が変わったことによって電力自由化とこうした送電網の整備が加速されることを期待したい。

2014/12/6 福島・東京間の送電網
 11月27日、福島県の内堀雅雄知事は、宮沢洋一経済産業相と会談し提言書を提出した。これは東北電力による再生可能エネルギーの買い取り契約中断をめぐるものだという。提言の一つには福島第1原発事故後から使用されていない東京電力の送電網の活用が盛り込まれた。
 送電網の強化は再生可能エネルギーの導入促進に欠かせない。これに対して提言は東京電力の送電網を生かして東北電力と運用連携させるようというものである。宮沢経済産業相は「早急に具体的な結論を出す」と回答したとされる。
 12月3日には「福島から東京へ送電開始100年」という報道もあった。猪苗代第一発電所から東京までの送電は1914年(大正3年)に開始されたそうである。当時の鉄塔のうち335基はまだ現役であるという。こうした既存の送電線も活用しながら、電力自由化の基盤となる送電網の整備が早く進むことを望む。

2014/11/23 アベノミクスと電力政策
 11月21日、衆議院が解散して選挙が12月14日投票に決まった。なぜ今解散なのかは立場によって賛否があろう。論点もよくわからない。消費税10%の先送りを真っ向から反対する政党はないので論点にならない。自民党はアベノミクスの是非を問うという論点を挙げているが、野党は安全保障なども含めて論点にしたがっていて噛み合わない。
 アベノミクスの問題は短期政策しか効果を発揮してないことである。3本目の矢である長期的な成長戦略が起動に乗っていない。企業が将来への不安を持つ限り、利益が増えても将来への投資はしない。株式で儲けた個人も、将来の不安があれば消費を控える。
 ここまでで一番失望したのは電力政策である。今年の10月には九州電力などで再生可能エネルギーの買取中止に至った。再生可能エネルギーへのシフトは経済的にも安全保障上からも重要な政策である。だが政府と官僚は太陽光発電所投資のバブルを誘導し、そして放置してはじけさせたのである。
 送電網の容量整備や電力会社間での電力融通は成長戦略の重要な要素だと思う。それに対していまだ動きは見えない。だが太陽光発電バブルの後に残り格安で処分されるだろう発電所は、電力の供給構造と価格構造を転換させる起爆剤になる可能性がある。その前提となる送電網整備に対する政策に注目したい。

2014/11/8 地方銀行の再編
 11月4日、横浜銀行と東日本銀行が経営統合の協議をしているという報道があった。11月7日には肥後銀行と鹿児島銀行も経営統合に向けて交渉に入ったことが報道された。地銀の再編は、金融庁も後押ししているということである。背景は少子高齢化の進展や地方経済の疲弊とされている。その影響で資金需要が伸び悩み、銀行は貸出先に困っている。結果として地域内で貸出金利の引き下げ競争が激化し、銀行の体力を奪ってきたのだとされる。
 本当だろうか。金利引き下げと資金の大量供給しか能がない銀行が、企業の安易な投資や運転資金の増大を誘導したのではないか。その結果、企業も価格競争に走り、地方経済が疲弊したのではないだろうか。
 現に経済が好調な首都圏や東海圏にも業績の悪い銀行がある。また地方にも業績のよい銀行は存在する。企業の健全な発展を促すきめ細かいサービスをしてきた銀行と、そうでない銀行の差が出ただけではないか。マネーの供給量を増せば経済は拡大してインフレになるという日銀の論理はミクロには当てはまらないように思える。工夫がなく資金だけがある銀行と企業が増えると、価格競争が激化してデフレ方向にドライブされる可能性がある。

2014/10/25 エボラ出血熱と新商品
 西アフリカを中心に猛威をふるっているエボラ出血熱は、世界保健機関の10月22日の発表ではギニア、シエラレオネ、リベリアで合計感染者数9911人、死亡者数4868人とされている。また欧州やアメリカでも感染者が発見されている。
 エボラ出血熱に限らず感染症は、本来の宿主や流行地域をはなれて新たな環境に放たれると大流行する。しかしながらいずれ収束するのも事実であろう。医療の効果もあるが、自然の摂理によるところが大きいのではないか。死亡者が増えるとウイルスや細菌が居場所を失う。軽い感染者は免疫をつけて再感染しにくくなる。具合の悪そうな人には直感的に近づかなくなる。こうした要因から流行はやがて収束に向かうのだろう。
 これは外来生物の繁殖にもあてはまる。例えば外来魚のブラックバスは大繁殖した時期があったが、今では在来種と一定の比率で住み分けている。さらにこの摂理は新商品の流行にもあてはまりそうだ。大流行した商品がやがて飽きられ収束していく。商品の流行と収束は、販売者がコントロールしきれない市場の摂理のようなものがあるのだろう。

2014/10/11 再生可能エネルギーの買取中止
 10月1日の報道によると、9月30日までに北海道、東北、四国、九州、沖縄の5電力会社は再生エネルギーによる電力を固定価格で買い取る契約を中断することを決めた。送電線の容量が足りなくなること、需給バランスが崩れて電力の安定供給ができなくなることを理由に挙げている。
 特に九州電力の需給バランスのでは2014年5月末までに認定を受けた太陽光・風力の発電量は1,787万kWとなり、夏場のピーク需要約1,600万kWを再生エネルギーだけで超える計算になる。九州の次にバランスが悪いのが東北電力である。夏場のピーク需要約1,300万kWに対して、5月末時点の認定累計が1,074万kWで、ピークの83%に達している。
 需給バランスの崩れや送電線容量の問題は、簡単な計算でわかっていたはずだ。電力会社あるいは経産省が意図的に隠していた疑いがある。バブルを弾けさせることによって再生エネルギーを潰そうという意図が見え隠れする。2013年11月に成立した改正電気事業法は、広域運用機関の設置、小売自由化、発送電分離を3本の柱としている。だがその前提は電力市場のプレイヤーに需給状況を見せること、送電網の容量に余裕があり地域間で電力融通できることであろう。既存の電力関係者は、こうした前提を整備する気がないのだろうか。

2014/9/27 アジア大会
 仁川でのアジア大会が開催されている。メダル数のトップは中国だが2位を日本と開催国韓国が争っている。日本は柔道やサッカーなどの競技で順当に勝ちを収めている。だが水泳は期待以上の活躍を見せている。
 しかし中国、日本、韓国以外の国でも意外な活躍を知ることになった。水泳でカザフスタンの選手がメダルを取ったり、柔道ではモンゴルの選手の活躍が目立っている。北朝鮮も体操やシンクロナイズドスイミングでメダルを獲得している。これらの競技ではオリンピックでもメダルが期待できる水準であろう。
 スポーツの世界では「あの国にできるなら」「あの人にできるなら」という競技会での体験が全体のレベルを上げてきた。これはビジネスでも同じだろう。「あの会社にできるなら」「あんなことができるなら」という体験とそれに続くチャレンジがレベルを押し上げている。ビジネスもまずアジアでの経験が世界へつながるのではないか。東京から仁川への距離1200kmは、那覇までの1600kmより近い。

2014/9/14 デング熱と熱帯病
 デング熱の感染が広がっている。9月13日現在、全国でデング熱への感染が確認された人は116人と報道されている。感染者は東京を中心に全国に広がっている。デング熱は蚊によって媒介されるため、感染場所と思われる代々木公園など人と蚊の両方が多い公園の立ち入り禁止措置がとられている。感染拡大が収束するのは蚊の活動が鈍る10月以降と見られている。
 だが、デング熱は毎年繰り返されるかもしれない。海外を含めた人の移動は止められない。蚊の完全駆除も困難である。インフルエンザと同じように流行を繰り返す病気のひとつになる恐れがある。
 同じように蚊によって媒介される熱帯病としてマラリアがある。全世界では毎年数億人の感染者がいるとされる。日本では1946年の28,200人をピークに減少し、撲滅された。しかし現在でも海外から帰国した人の感染確認が年間100例以上あるという。韓国でも一時撲滅されていたが、1993年に38度線を警備する軍人の間で感染者が確認された。その後感染が広まり、毎年600人〜1,000人の感染者がいるとされる。
 温暖化が進むとデング熱やマラリアなどの熱帯病が定着し、小規模な流行が発生することも考えられる。防虫商品や長袖衣類など身の回りへの影響もあるかもしれない。

2014/8/30 水害の怖さ
 8月19日に広島市北部で大雨による土砂災害が発生した。72人が犠牲になり現在でも2人を捜索中である。たまたま40年前にこのあたりに住んでいたという人の話を聞いた。当時から国道が通る市街地であり、土砂災害起きる場所とは想像できないとのことである。そうした市街地で土砂災害が起きた原因は1時間あたり130mmが観測された雨量の凄さである。過去の日本ではなかった時間100mm超の雨量があちこちで発生している。
 8月26日には日本海で地震が発生した場合の津波シミュレーションの結果が発表された。日本海の震源地は陸から近い所が多いため、津波の到達が早いことが特徴だという。早いケースでは地震発生から1分程度で津波が来る。1993年に発生した北海道南西沖地震では、津波によって奥尻島で死者・不明198人が出た。この時も地震発生から数分で津波が到達したが、こうした地震が他でも発生する可能性がある。
 最近ある人から聞いた話だが、愛知県刈谷市には高津波町という地名がある。逢妻川の近くの地名であるが、三河湾の河口から20km上流にある。刈谷市とその周辺には自動車、鉄鋼、エネルギーなどのプラントが集積している。いま高津波町まで達する津波が発生した場合にはどうなるのだろうか。

2014/8/16 電力需給の今 その2
 8月2日に、東京電力管内の電力需給について今年のピーク需要は2月14日の4943万kWと書いた。その後記録が更新された。ピーク電力は8月5日の4980万kWである。どうやらこれが今年の記録になりそうである。ついに5000万kWを下回りそうである。夏場のピーク電力としては大震災があった2011年8月18日の4922万kWとほぼ同水準である。2011年の夏は皆が意識して達成した数字が、今年は特に意識しないで達成している。3年間でそれだけ省電力が進んだのだ。
 供給のほうもピーク時供給力の内訳を見ていると、他社受電が900万kWを超える日もあった。これは福島第一原発の470万kWと福島第二原発の440万kWの合計と同水準である。福島第一の発電機6基と福島第二の4基の合計10基と同じ量である。少なくとも東京電力管内で電力の需給問題は存在しない。電力問題の残りは価格と二酸化炭素である。「火力の価格は高い」と言われているが、原子力のない沖縄電力と東京電力の価格差は1割程度である。喧伝されているほどの差はない。競争の自由化によって克服できる程度の差であろう。

  2014/8/2 電力需給の今 その1
 全国的に梅雨明けして猛暑の季節がやってきた。関東では梅雨明け後の猛暑は一段落したが真夏日が連続している。
 気温の高い日が連続すると気になるのは電力である。東京電力管内の電力需給を調べてみた。意外なことに今年のピーク需要は、2月に記録されていた。今年の冬は寒かったからだろう。東京電力のwebサイトで公表されている2008年以降の電力需要をを調べてみると、ピーク需要は以下のような数字であった。年によって上下はあるが、需要量は低下傾向にある。今年はこのままでいくと5000万kWを下回る可能性がある。

 年  2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
 月日 8月8日 7月30日 7月23日 2月14日 8月30日 8月9日 2月14日
 万kW 6089   5450   5999   5150   5078   5093   4943

 東京電力で最大需要が記録されたのは2001年7月24日の6430万kWである。そこからピーク電力では2割以上省電力が進んでいる。さらに着目すべきは供給量の内訳である。8月2日のピーク時供給力の内訳は以下のようになっている。

 火力   水力その他 他社受電 合計
 3450万kW 870万kW  832万kW 5152万kW

 実に他社受電が16%を占めている。これは太陽光や自家発電所を持つ企業が供給しているものであろう。その量は柏崎刈羽の原子炉7機ぶん821万kWを上回る。大震災以降、電力供給者の多様化が急速に進んでいるようだ。
 「電力が足りないから原子力を再稼動したい」という話はいつの間に「電力が高いから原子力を再稼動したい」という話にすり替わっている。確かに価格問題と二酸化炭素問題は残っている。だがその対策は原子力ではなく競争の自由化であろう。

2014/7/19 マレーシア航空機の墜落と武器輸出
 7月18日、乗客乗員298名を乗せたマレーシア航空17便のボーイング777-200型がウクライナ東部で墜落した。同機はアムステルダムからクアラルンプールに向かっている途中だった。マレーシア航空は、3月にインド洋で行方不明になったのに続く悲劇である。
 だが3月の行方不明と違い、今回は原因が明らかになりつつある。地対空ミサイルによって撃墜されたのだ。ミサイルが発射されたのはウクライナの中で親露反政府勢力が支配する地域からだという。ミサイルはロシアから親露反政府勢力側に供給されたものとの疑いがある。
 墜落事故がどういう影響を及ぼすのか今のところ見通せない。だが気になるのは武器が国境を越えて移転していくことの影響である。日本は今年、武器輸出三原則に代わる防衛装備移転三原則を制定した。これは武器輸出を解禁するものである。武器輸出を促進すると経済面でのメリットはあるのだろう。しかし武器輸出が安全保障上プラスになるとは思えない。
 カラシニコフ銃は、模造品も含めて世界に1億丁が存在すると言われる自動小銃である。開発したミハイル・カラシニコフ氏は2013年に亡くなった。氏は晩年、祖国を守るために開発した銃が世界中で使われ、結果として多数の人命が奪われたことについて「心の痛みは耐え難い」と告白している。また「もし戦争がなかったら、農業労働を楽にする機械を作っていただろう」とも話している。日本からカラシニコフ氏やカラシニコフ銃が出ないことを望む。

2014/7/5 ギリシャの善戦
 ワールドカップは決勝トーナメントが進んで知る。予選グループCではコロンビアとギリシャが勝ちあがった。決勝トーナメントでコロンビアはウルグアイを撃破し、準々決勝でブラジルと対戦する。ちょうどこの記事を書いているときにブラジル対コロンビアの試合が始まった。
 ギリシャは決勝トーナメントで予選グループDをトップ通過したコスタリカと対戦した。1-1と善戦したが、PKで敗れた。ウルグアイはグループDでウルグアイ、イタリアを撃破した台風の目となっている。ここまでブレない戦い方で善戦してきたギリシャだったがついに力尽きた。
 台風の目となっているコスタリカの次の相手は、今回変幻の戦法を見せているオランダである。7月5日のブラジル対コロンビア、7月6日のコスタリカ対オランダの勝者が決勝で対戦しそうな気がしている。

2014/6/21 ワールドカップで見える信念と覚悟
 サッカーワールドカップが始まった。6月20日までの時点で日本は1次リーグ1敗1分である。もう後がない状況となった。ここまで同じグループの各チームを見ていると、それぞれの戦法に対する信念と覚悟の違いが結果に現れているような気がする。
 コロンビア、コートジボワール、ギリシャはそれぞれの大陸の風土を背景に国民性やチームカラーが色濃く出ている。今までのところコロンビアが勝ち点6で決勝トーナメント進出を決めた。戦法に対する信念において1歩リードしているからではないか。もう1チームどこが抜け出すのか。個人技頼みのコートジボワール、守備的なギリシャ、組織的な攻撃の日本、どこになるか。これまでの2戦、日本の戦い方にはブレが見受けられる。ここまで2試合で無得点のギリシャが一番ブレがないように思える。3戦目の結果はどうなるだろうか。
 企業や個人の生き方にも通じるような気がしている。

2014/6/8 温暖化と農業
 6月5日、関東甲信地方が東京が梅雨入りしたとの発表があった。梅雨入りしたとたん大雨となっている。昔の梅雨は「しとしと」「じめじめ」と形容されていた。しかし今の梅雨は「ざあざあ」「びしょびしょ」である。雨の降り方が亜熱帯化している。毎年、沖縄・奄美・九州・四国・紀伊半島の一帯で土砂災害の発生を聞く。
 亜熱帯化は農業に対しての影響もある。ただし悪い影響ばかりではなさそうである。基本的に植物は高温多湿のほうが成長が早くなる。米ももともと亜熱帯性の植物ではなかったか。日本では弥生時代に九州や西日本で栽培が始まったと思われるが、それは気候のせいではなかったか。米は品種改良によって東北や北海道で栽培できるようになってきたはずである。
 亜熱帯化が進むと現在の品種が栽培できなくなる恐れはある。しかしもっと収量の高い品種や新たな作物が栽培できる可能性が出てくる。東京で米の二期作ができる可能性がある。関東の果実王国である山梨ではブドウやモモに代わってマンゴーが栽培できるようになるかもしれない。人のライフスタイルも変わるだろう。東京のビジネスマンはの正装は、かりゆしウエアやアロハになる。

2014/5/24 TPPと食料自給
 4月の米オバマ大統領の訪日ではTPPが主要議題だった。5月20日にはシンガポールで開催されていたTPP交渉の閣僚会議が終了した。共同声明では「交渉妥結に何が必要か共通の見解を確立した」とされている。今後、難航している関税分野などで集中的に議論し、7月に首席交渉官会合を開く予定である。
 妥結への着地点はなかなか具体的に見えてこない。それぞれの国の関連産業が影響を受けると、政治家の得票に関わるからであろう。妥結には経済の得失だけでなく得票の得失の計算も関わる。
 さらに日本の場合、食料自給率の問題も抱える。自給率が変化することによる得失も考えなければならない。野菜や果物など国際競争力が期待される農産物もある。金額ベースでは農産物トータルでプラスとなる可能もある。しかし今でも低いカロリーベースの食料自給率は、市場開放によってさらに下がる恐れがある。安全保障上の脆弱性が高まる。
 電気エネルギーが原子力と輸入原料からの脱却が求められているのと同様、人間のエネルギー補給問題も技術革新による大転換が必要なのだろう。

2014/5/10 エンジンと工業力
 「エンジンのロマン」という本を読み終わった。著者の鈴木孝氏は日野自動車工業でエンジンの設計、開発に従事していた人である。内燃機関の原点から自動車、軍用車両、船舶、航空機で使われた歴史的な名エンジンについて技術者の視点から描かれている。
 エンジンは、その国その時代の工業力を反映しているものであることが改めて認識できた。たいてい先進国で開発されたもののコピーから始まる。だが、工作機械の精度やガスケット、オイル等の品質によってオリジナルの性能が発揮できないことが多い。第二次大戦中の日本の航空機エンジンは、空冷はアメリカ、水冷はドイツのもののコピーから出発したものである。空冷は何とかものにできたが、水冷は故障が多かったという。水冷エンジンのほうが部品の工作精度が求められるためである。
 アメリカも航空機用水冷エンジンはイギリス製のコピーから出発した。アメリカも水冷エンジンには手を焼いたようである。第二次大戦中は空冷エンジンが主流であった。しかも戦車にも航空機用空冷エンジンを搭載していた。アメリカや日本の工業力も70年前には大したことがなかったのである。日本がものづくり大国になったのも歴史的には最近なのだった。

2014/4/26 セウォル号と職業倫理
 4月16日に韓国珍島沖で旅客船セウォル号が転覆沈没した。事故から10日たった4月26日でも不明者の捜索が続けられている。乗客数476人のうち生存者は174名、まだ行方不明者が100名以上いる。事故原因は特定されていないが、過積載が主因と言われている。過積載で出航した後に燃料消費でバランスが変わり、転覆したと推定されている。
 この事故で問題なのは乗員の能力である。船のバランスに関する知識、転覆が始まったときの対処に関する能力、沈没する場合の退船誘導に関する能力が不足していた。さらに問題なのは船長と乗員の倫理観である。乗客より先に避難したことに代表されるが、能力不足を放置していたことも船員としての倫理観欠如の表れだろう。
 これは韓国のセウォル号だけの問題ではない。日本では昨年次々に発覚した食品偽装、3年前に福島第一原発の現場から撤退しようとした東京電力などが思い出される。「good job」あるいは「いい仕事をしてますね」と言われることを誇りとする職業観があちこちで失われつつある。

  2014/4/12 マレーシア航空機のその後
 オーストラリア南西沖で墜落したとされるマレーシア航空370便だが、4月に入りブラックボックスからと思われる信号がキャッチされた。オーストラリアの西岸から1500km程度の位置で4月5日に中国巡視船が受信したという。4月6日にはオーストラリアの軍用艦が受信したとされる。これがブラックボックスだとしてもその回収には困難が予想される。正確な位置の特定が必要だが、電池寿命が尽きかけていると推定されている。また付近の水深は4500mあるという。
 2009年6月大西洋上で墜落したエールフランス447便のフライトレコーダーが発見されたのは3900mの海底だった。今回はそれを上回る深さになりそうである。だが航空機史上最大のナゾとなりそうな事故の解明のため、ブラックボックスが回収されることを期待したい。

2014/3/29 マレーシア航空機の所在
 3月8日に不明となったマレーシア航空370便の残骸と思われる漂流物が発見された。3月20日、オーストラリア海洋安全局がオーストラリア南西沖で大小2つの漂流物を発見したとの発表があった。さらに3月24日にはマレーシア首相から同機がインド洋南部に墜落したと見られると発表された。
 本格的な捜索と事故原因の究明はこれからである。原因究明にはブラックボックスとボイスレコーダーの回収が必要である。これは困難を極める可能性がある。管制塔との最後の交信から約7時間飛行していたとされるが、その間に何が起こっていたのか手がかりはほとんどない。
 現時点では事故原因についていくつかの仮説がある。特に中国国内では様々な憶測や噂が飛び交っているとも聞く。本格的な調査に期待したい。

2014/3/15 マレーシア航空機の行方
 3月8日、マレーシア航空370便が行方不明になった。同機は乗員乗客239名を乗せたボーイング777-200型である。マレーシアのクアラルンプールを0:41に出発し、北京へ向かった。出発後1-2時間後の8日未明に南シナ海上空で消息を絶った。
 はっきりしているのはここまでである。その後南シナ海で各国の協力のもと捜索活動が展開された。それらしい漂流物などがあったとの報道もあるが発見に至っていない。
 最新情報によると最後に確認された場所から約4時間飛行した可能性があるとの話もある。南西方向に進路を変え、インド洋方向に向かった可能性も指摘されている。
 行方不明機がなかなか発見されなかったケースとしては、2009年6月1日にエールフランス447便が大西洋上に墜落した事故がある。このときは機体の残骸が発見されたのが6月7日、フライトレコーダーが海底から回収されて事故原因がわかったのが2011年5月になってからであった。このケースを上回るナゾの遭難になりそうである。

2014/3/1 ビットコインの行方
 2月26日、ビットコイン取引所のひとつであるマウントゴックスが全ての取引を停止した。2月28日に同社は東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し受理された。この動きがマウントゴックス固有の問題によるものなのか、あるいはビットコインが持つ本質的な欠陥によるものなのか、私にはわからない。だがビットコインの問題はまだありそうである。
 そもそもビットコインには決済処理システムとしての側面と通貨としての側面がある。決済処理システムとしては銀行などに比べて利用者の利便性がありそうだ。しかし通貨としての優位性はあるのだろうか。国に対する信用を背景にしている既存通貨に対して、ビットコインは利用者の思惑のみが背景となっている。国に対する信用も幻想ではあるのだが、ビットコインの基盤はさらに脆弱である。
 もともと通貨は取引のための道具、言い換えると人々の助け合いのためにあった。それぞれの人が得意なモノやサービスを交換するための道具である。それが実体経済と切り離された情報となり、信用や思惑のみで通貨自体の価値が上下するようになったのが現在である。決済としてのビットコインは実体の近くにありながら、貨幣としては実体と最も遠くにあるように思える。この分裂症的な存在は今後どこへ行くのだろうか。

2014/2/15 異常気象の常態化
 2月8日は東京で27cmの積雪を記録した。45年ぶりの大雪だった。私が住む相模原では、雪が吹き溜まり場所では膝までの深さがあった。そして昨日2月14日、またしても大雪になり東京都心で27cmの積雪となった。甲府市では15日朝に観測史上最高の114センチの積雪を記録したとの報道があった。今(15日朝)相模原では雨に変わっているが、強い風が吹いている。東京から神奈川の郊外電車は運転を見合わせているところが多い。
 異常気象も毎週となると常態である。温暖化の影響だろう。台風だけではなく、春の爆弾低気圧、冬にも低気圧と風雨をもたらす低気圧の通過が多くなっている。
 昨年10月の台風26号では伊豆大島で多くの死者が出た。あの台風があと100km北寄りの進路だったら東京にも甚大な被害が出ていたと思う。東京近郊に住んでいても油断はできない。気候の変動への備えは亜熱帯の国と雪国の両方から学ぶ必要があるだろう。

2014/2/3 景気の行方
 1月もあっと言う間に過ぎた。今年もはや2月である。2月7日にはソチオリンピックが開幕する。2月9日は東京都知事選挙である。例年の2月に比べればイベントが多く経済にはプラス要因であろう。
 だが今後の景気の行方はどうだろうか。1月24日に閣議決定された「平成 26 年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」によると、「消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減には留意が必要であるが、(中略)年度を通してみれば前年度に続き堅調な内需に支えられた景気回復が見込まれ、好循環が徐々に実現していくと考えられる。」とされている。
 私が住んでいる相模原周辺の交通量は、12月以降減少傾向である。建築関係を中心に仕事量は多いようだが、物流量は減っている。物流量が再びいつ増加に転じるのか。身近なところではそこに注目している。

2014/1/18 素材産業のジレンマ
 1月9日に三菱マテリアル四日市工場で爆発事故があり5人の方が亡くなった。熱交換器のメンテナンス作業中に発生したものである。そして1月17日には新日鉄住金名古屋製鉄所で火事が発生した。幸い怪我人はなかったが、これも自家発電所の補修作業中にブレーカーがショートしたことが原因だという。
 昨年は工場での重大事故の報道が多かったが、今年も多くなりそうである。個々の事故にはそれぞれの原因があるだろう。しかし背景として設備年齢の上昇と人の世代交代があるように思う。素材系の工場では大型設備を持ったほうが競争力を得るという構造がある。しかしひとたび大型設備を持つと、場所や資金の制約から設備の更新ができなくなる。すると設備年齢が上昇し事故が発生する。新規設備を経験する機会がなくなるので人も育たない。こうして大型設備を持った企業は長期的に競争力を失う。
 このジレンマから抜け出すには、高機能の素材に特化するしかない。それができないと大型投資をした新興国の企業に敗れていく。かくして汎用素材の生産は国をまたいでバトンタッチされていく。そして重大事故の発生も国をまたいでバトンタッチされていくのだ。

2014/1/4 団塊ジュニアが不惑に
 2014年の年が明けた。日本の人口動態からみると、今年の特徴は40歳人口がピークを迎える点にある。団塊ジュニアのピークである1974年生まれが不惑を迎えるのだ。もはやジュニアとは呼べない世代である。2012年に団塊世代が65歳に達したことと合わせると、就労世代の主役が交代する時期とも言える。
 しかし団塊世代と団塊ジュニアの生活・就労環境はだいぶ異なる。団塊ジュニアは非正規社員が多く未婚率も高い。平成22年の統計だが、35-39歳の未婚率は女性25%、男性37%である。同じく有配偶率は女性67%、男性53%となっている。実に男性の5割弱が独身、4割弱が一度も結婚したことがない。非正規社員が多いことから所得格差も大きい。
 経済の面から見ると、人口が多く年代的にも社会の中核となった団塊ジュニアの活力を引き出すことがやはり重要であろう。生産者、消費者の両方の牽引役となることが求められる。いつまでもジュニアではなく立派なオッサン、オバサンとして主役を張ることが次の25年を決める。

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